シルトホルン

 ベルナー・オーバ―ラント三山とは、ラウターブルンネンの谷を隔てた所にあるシルトホルン(2970m)は独立峰で、頂上には360度の遠景 パノラマの素晴らしい景色の展望台がある。特に眼の前のユングフラウは、下界からでは見えない主峰が良く見え、 下界から良く見えるウェンゲン・ユングフラウと主峰からなる山の構造が良くわかる。しかし、そこはアルプスにある独立峰、非常に雲に好かれる。 ロープウェイの途中駅ミューレン(1638m)からは勿論、ビルグ(2677m)でも晴れていて ベルナー・オーバーラント三山が見えても、シルトホルンでは何故か谷から湧き出るような雲に視界を遮られると言うような事が起きる。


 ビルグ駅からシルトホルン

 これは見事なピーカンの日。いつもこうではない。ラウターブルンネンの谷のどん詰まりから出るロープウェイは、途中ミューレン、 ビルグを経由(乗り換え)して長いので、料金も高い。切符売り場の頂上展望カメラでシルトホルンの様子を良く観察して、駄目そうなら 諦めた方がよい。無理に行っても巨額の運賃を払ってがっかりするだけである。

 ユングフラウヨッホなら「行った」という実績で多少慰められるし、雪田で雪に触れたり、アイスパレスの不思議なブルーも見られるが、 シルトホルンは晴れて景色が見られなければ存在価値はない。

 ロープウェイからシルトホルンの駅/レストラン/展望台。1969年の映画、『女王陛下の007』の舞台になった。この頃の007ものはイアン・フレミングの原作に比較的忠実に 作られた所謂スパイ・アクション映画で、現在のような荒唐無稽なお子ちゃま向けのSFまがいのファンタジーではなかった。
 シルトホルンは「ピッツ・グロリア」という悪漢の生物学の研究所という設定であった。  ここで、洗脳された娘たちに英国の家畜と家禽を全滅させるウィルスを持たせてイギリスに送り返すという陰謀がなされていた。 しかし、こんなに航空攻撃に弱い陰謀基地はありえない。実際2機のベルUH-1に乗った特殊部隊の攻撃で陥落してしまう。

 レストランはその名も「007」で、最外側のテーブルは回転する席となっているが、競争率は高い。先日テレビで、ミューレンの高級ホテルから朝食の予約ができると 言っていた。しかしこれは、天気次第でキャンセルできるかどうか予約時に確認した方が良い。

シルトホルン

 シルトホルン展望台に着いた。左下にビルグ駅が見える。
 ピークは左からアイガー、メンヒ、ユングフラウ。
 ユングフラウが双耳峰に見える。
 手前の崖の下は、ラウターブルンネンの谷。



 ユングフラウのアップ。

 双耳峰に見える左側が下界からユングフラウの頂上として見えるウェンゲン・ユングフラウ、右の高い方がユングフラウの主峰である。
 ウェンゲン・ユングフラウの下に見える雪の台形は、下界やクライネ・シャイデックからは見事な雪のピラミッドに見えるジルバー・ホルン で、頂上の様相と共に、これもまた「予想外」である。これが角度によって何故あんなに見事な三角錐に見えるのか、立体幾何学の問題にしたいようである。

 画面真ん中右寄りに黄色いパラグライダーが飛んでいる。  


 さらに左側、右端のピークはヴェッターホルン。手前の三角の峰はメンリヒェンとクライネシャイデックの 間にあるチュッゲン(2521m)で、グリンデルヴァルトのアルプはチュッゲンの陰になっている。
 チュッゲンのピークの やや左で遠くに見える鞍部はグロスシャイデック。

 手前の崖の下は丁度ウェンゲンの辺りで、ラウターブルンネンからの登山鉄道が 走っている。


 東欧系(らしい)のご夫妻がちょっと邪魔。
 ユングフラウからさらに右手、ラウターブルンネンの谷の奥の方、一番目立つピークはブライトホルン(3782m)。

 展望台のこの右手の方には広いテラスがある。『女王陛下の007』ではカーリングをやっているシーンがあった。
 左上の黄色い案内板は、スイスが誇る(?)ハイキングの案内板。ということはここから徒歩でどこかに行くハイキングコースがあるということ。 実際ここからミューレンまで徒歩で降りたことがあるという人もいる。


下の駅のお天気モニターを見てロープウェイに乗ったのに、上に着いたらこんな具合という日も何度かあった。




 帰り、ビルグから。
 時間が経ったので、太陽の角度が変わり、視点も変わったので、また新鮮な眺めである。 ユングフラウの主峰の高さが際立って見える。これが、下界からは見えないというのは不思議である。

 下にミューレンの村が見える。だいたい1650m位の標高で、真西から見るアイガーの眺めが素晴らしい村である。  この村はアルペンスキー競技発祥の地だそうである。

 ラウターブルンネン駅からミューレンに行く途中、進行右手にロープウェイがもう一本見えるが、これはバンジージャンプ用に 使われている。



 ラウターブルンネン − クライネ・シャイデック登山鉄道のミューレン付近車窓から。画面右の高いピークがシルトホルンで 頂上に黒くぽつんと見るのが、ロープウェイ駅、レストランなどの建物。右手前の黒っぽく、一段低いピークはビルグ。ミューレンに 至る斜面が雪に覆われている。

 6月の季節外れの雪で、マイリンゲン − クライネ・シャイデックがとんでもなくハードなハイキングなった時の帰りの電車から。 この日は終日良い天気だった。


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