汽車に乗らない氷河急行

 

氷河急行が走っている路線はスイスの観光地を結ぶ幹線鉄道である。従ってその周辺を走る道路も幹線道路と言う事になり、スイス観光ドライブには欠かせない。 私も氷河急行路線に沿って行ったり来たり、かなりの頻度で車で走った経験がある。しかしながら、氷河急行に乗った事は勿論、 同路線を走る列車(地域列車)に乗った事も殆ど無い。そこで、ここでは汽車に乗らない氷河急行の旅をしてみたい。
 主役の列車が、氷河特急なのか氷河急行なのかは議論があるところであるが、自身鉄っちゃんであり、フルカ峠でローヌ氷河が見えた真の氷河急行時代に 乗ったことがある、という友人が「あれは氷河急行である」と言っているので氷河急行と呼ぶ事にする。
 氷河急行はマッターホルン・ゴッタルト鉄道(MGB)とレーティッシュ鉄道(RhB)の二つの鉄道会社の路線をライン谷にあるディサンティス駅で繋いで 運行されている。MGBの方はラックレールを使いゴリゴリと登るのも辞さず、氷河急行の最高地点2033mのオーベラルプ峠も自動車道路とほぼ並行して登って しまう。一方、RhBはラックレールが嫌いで、等高線に沿ってじわじわと登る。従ってその線路は山襞を這い、ループ / 鉄橋 / トンネルの雨あられとなり、 クール/サンモリッツ間のアルブラ峠越えの線路敷設はあまりに芸術的故、路線そのものが世界遺産になっている。

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場所どんな所なのか、エピソード

ツェルマット

 マッターホルンを擁し、スイスを代表する観光地であり、氷河急行の始発/終点駅がある。
誰もが写真で見慣れているマッターホルンであるが、本物を目の前にすると圧倒され感激する事請け合いである。


タッシェ

 ツェルマットは車で入れないので、車で行った観光客はここに車を置いて汽車に乗る。これはヘリコプターでも使わない限りノーチョイスである。 そのため、ここには観光用客用の巨大な駐車場がある。

ザースフェー

 ヴィスプからツェルマットに行く途中で分岐する谷の末端。鉄道は行っていないけれど、一寸寄り道。
2010年ワールドカップの日本代表が直前キャンプを張り、予選突破のきっかけを掴んだ地である。

ブリーグ

 ヴィスプでローヌ谷に出た氷河急行は、沿線随一の町ブリーグに着く。
ブリーグはシンプロン峠の麓の町で、オリエント急行も走ったシンプロン・トンネルへの分岐駅である。
シンプロン峠は飛行機が初めてアルプスを越えるのに成功した場所である。

エギスホルン

 ブリーグを過ぎるとローヌ谷も狭くなる。氷河急行は北側の山の南斜面を走るが、その山の裏側にスイス観光のもう一つのハイライトである ベルンナ―・アルプスがある。フィッシェからロープウェイで北側の山の頂上に登ると、眼下にベルンナ―・アルプスの盟主ユング・フラウからの アレッチ氷河を眺める事が出来る。
 2010年7月氷河急行の脱線転覆事故はフィッシェのすぐ手前で起きた。

オーベルヴァルト

 新フルカトンネルのローヌ側の駅。現在の氷河急行はここから新フルカ・トンネルに入ってしまう。

グレッチ

 旧線の駅で、グリムゼル峠との分岐点であるグレッチ。
ローヌ氷河のビューポイントにして旧線を走っていた時代の氷河急行の車窓ハイライト。
旧線はここからラック・レールで強引にフルカ峠を攀じ登って行き、左の車窓にローヌ氷河が間近に見えた。。

フルカ峠

 コルの標高2436m。峠全部がスイスにある街道峠としては一番高い。
国境にかかる街道峠としては、イタリアとの国境にあるステルビオ峠が2757mで一番高いが、この峠がどこにあるかすぐ判るあなたは アルプス峠通である。

レアルプ

 フルカ峠を越えて、峠のアンデルマット側。
グレッチ側とはまた変わった風景である。道路は改修が遅れておりグレッチ側よりずっとワイルドである。

アンデルマット

 アルプスの十字路と呼ばれる古くからの交通の要衝。
 ゴッタルト・トンネルによって、スイス北部(遠くドイツ)と南部コモ方面(すなわちイタリア)を結ぶ道路は完全に旧道化してしまったが、 ローヌ谷とライン谷を結ぶには今なお線路も道路もアンデルマットを通過する。

オーベラルプ峠

 現在の氷河急行最高点(2033m)。峠のコルは谷になっており、列車は湖沿いにほぼ水平に走る。
 

セドルン

 オーベラルプ峠を越えてライン谷に入った。セドルンはまだマッターホルン・ゴッタルト鉄道のテリトリーであるが、レーティッシュ鉄道との 結合駅ディサンティスは近い。
 

トゥルン

 ここはもうレーティッシュ鉄道のテリトリーである。絵本作家、アイロス(アロア)・カリジェゆかりの町。 町にはカリジェのオマージュが一杯。
 

クール

 古都、クール。氷河急行沿線で最大・唯一の都市で、レーティッシュ鉄道のハブ駅的な存在。
 

アローザ

 クールからの支線アローザ線の終点のアローザ。アローザ線も急坂、急カーブの連続する山岳鉄道。
カーブでのレールと車輪の官的な摩擦音が続く。
 

ソリス橋

 水面からの高さが89m、ランドヴァッサー橋の65mより遥かに高いスイスで一番高い橋。

ランドヴァッサー橋

 氷河急行のハイライト、ランドヴァッサー橋を橋の外、下から見る。
 

ランドヴァッサー渓谷

 ダヴォースへ行く支線、ランドヴァッサー渓谷に架かる怖い橋。ヴィーゼン橋。
 

アルブラ峠

 サンモリッツへの最後の難関。氷河急行は信じられないような形に敷かれた世界遺産の線路を走る。アルブラ峠のコル部分は、 残念ながらトンネルで抜ける。
 

サンモリッツ

 ツェルマットから来た氷河急行の終点。スイスを代表する観光地で冬季オリンピックを2度開催した事がある。
ここからイタリアに向かうべルリナ線車窓風景も素晴らしい。