シュバルツバルト


 ドイツとフランスの国境であるライン川の右岸すなわち東側に南北に連なるなだらかな山地で、針葉樹林に覆われて黒く見えることから、黒い森=シュバルツ・バルト と呼ばれている。黒い森というと感覚として平坦な森のように思えるが、どうしてどうして大きな滝や1000mを越える峠道もある山岳地帯である。

 北側の東斜面はドナウ川水系、西側と南側はライン川水系で、降った雨は一寸の着地場所の違いで北海に注ぐか黒海に注ぐかに分かれる。

 標高500m位より上にはクロスカントリースキーのゲレンデが沢山あり、スキーを履いてのハイキングが楽んでいる人達がいた。最初これを見た時、習いたいなと思ったけれど 結局やらずじまいだった。フランスのボージュ山脈の西側山ろくにもクロスカントリースキーのゲレンデが何箇所かある。




 雪が積もっているのは牧場で、春にはタンポポで黄色い海になる。春のヨーロッパドライブの楽しみの一つに大規模なタンポポの広がりがある風景がある。



春のシュバルツバルトの牧草地。



 この辺りはドナウ水系である。小さな橋の袂に川の名前として『ドナウ』とあったりすると何故かドキッとする。
 小さな村のホテルに泊まったら、フランス国境まで車で1時間もかからないのであるが、フランス語も英語も通ぜず、完全にドイツ語の世界であった。

 夕食レストランでは土地の年齢の行った人たちが大勢いて、東洋人の珍客を和やかながら好奇心一杯に迎えてくれた。
 このホテルにはなんとクアハウスと温水プールがあった。残念ながら水着は売っておらず貸してもくれなかったから入れなかったが、これを教訓として水着とディナー用の上着は ドライブの必需品となった。




 シュバルツバルトの夜明け。
 上の4枚の写真と同じ2月初めで、いかにも寒そうに見えるが、事実寒い。


 高級温泉リゾートであるバーデンバーデンから、シュバルツバルトのほぼ稜線を走って南に向かうドイツ国道500号線。
 シュバルツバルト内には意外や製紙工場が数軒ある。シュバルツバルトとライン川とアルザス平原を挟んだ西にあるボージュ山中にも製紙工場があって、 水彩画用で有名な製紙会社の工場があったりする。
 この写真は3月末であるが、標高が下がると雪が消えて人間臭くなり、上がるとこの風景の様に針葉樹の冬景色になった。




 フライブルクから東の山中にある小さな湖TiTisee(ティティゼー)湖畔のホテル



 ティティゼーの東端には大きなクアハウスがあり、遊覧船も出ている観光地であるが、その場所以外は鄙びた山間の湖である。
 このホテルで偶然から鹿肉料理を食べ、以来年一回くらい泊りがけで鹿肉を食べに行った。別にここが美味しい言う評判という訳ではなく、 何となく鹿肉とこのホテルが結びついただけである。
 サービスはいかにもドイツ的であった。シチューなど拳ほどの鹿肉塊がごろごろしているのがギョッとするような量 出てくる。こちらも日の丸背負ってみっともなく降参は出来ない、 とやっとこさ皿を空にすると、傍らのサービステーブル上の中身が八分目位入った大きなポットを指して「これはあんたの分のお代りですぜ」など言うので こっちも決死の覚悟が要る。
 こういう時の地元民の凄いのは、メインディッシュを完食するのは勿論のこと、パンも添え物のパスタもジャガイモもたっぷり食べ、デザートの巨大なケーキも勿論やっつけ、というところである。 我々はメインディッシュはのどちんこが裂ける思いでなんとかしても他の食物には手も足も出せない。




 シュバルツバルトと言えば、酸性雨による破壊(木の枯死)であるが、1999年の暮、500年振りとかという暴風に見舞われた。勿論シュバルツバルトが暴風の ピンポイント攻撃に晒された訳ではなく、西ヨーロッパ一帯が大被害を受けた。
 2000年2月撮影のその惨状、シュバルツバルトのバーデンバーデン付近。砲撃で吹き飛ばされた森と同様、木が幹の途中からへし折られて吹き飛ばされている。





ヨーロッパあちこちINDEXに戻る