ホテル・ラ・ルネッサンス



 フランスの田舎のホテルには随分泊まったけれど、これは以前北フランスの小さな町で泊まった、二人のお婆さん経営の1960年代で時間が止まってしまった (朝食しか出さない食堂に真空管式のラジオがあった)ホテルに次ぐユニークさである。こういうホテルにぶち当たって泊まる事ができるのもフランスの田舎の旅の 醍醐味である。

 北フランスのそのホテルのラジオがある食堂には40歳くらいと思われるシェフ姿の男性の大きな白黒写真が飾ってあった。多分、どちらかのおばあさんの 連れ合いで、オーナーシェフだった人であろう。そして、この人の死でこのホテルの時間が止まってしまったのである。ホテルは結構規模が大きく、 泊った当時225フランの部屋も無茶苦茶古びていたが大きなゆったりとした部屋だった。 車を広い屋根つきガレージに誘導してくれたおばあさんに、もっともっとと端っこぎりぎりに停めさせられた。次のお客さんのためだそうだが7〜8台は悠に 入る残りスペースにその夜は次の車は来なかった。
 支払いはカード王国フランスであるからクレジットカードだったが、なんと、カルトブルーというICカードをガチャンという手動の機械に掛けた。 ICカードにエンボス文字が付いている理由が判った。  流石に、このブリュイエールのホテル・ラ・ルネッサンスはICカード用端末を持っていた。



 朝日に輝く看板。下の緑の小さな看板はPMU(競馬)の公式馬券売り場のもので、フランスの町角ではどこでも見かける。

 ホテルの料金表。風呂とトイレ付きのダブルの部屋の二人使用、二食付で一人56ユーロ。

 しいて言うならアール・ヌーボー?、古色蒼然の内部。


 外して持ち帰りたくなるような年代物の浴室ドアの留め金。


 レストランの入り口とメニューの表紙(但し、食事は定食のみなのでこれは飲み物用;ワインリストと言うほどの物でなし)。


 入り口にはPMU(フランス競馬)のポスターを張り巡らしたバー(ホテルの経営ではないと言っていたが、かってはホテルの物だったらしく、 何時の時代の物かわからない内線電話の交換機(の残骸)がインテリアのようにあったりする。


 バスタブ付きダブルの部屋、予想通りのぼわんぼわんのベッド、で一泊二食付きで56ユーロ/人。夕食のムニュは白アスパラの酢バターソース、雉のロースト という場所と季節感あふれる物でおいしかった。これもフランスの田舎の旅の楽しみである。清潔で機能的なビジネスホテルや豪華リゾートホテルでなきゃ 嫌だという人はこのホテルは駄目と思うが、そうでない人やミステリーファンにはお薦めする。


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